NEWS一覧

2024.07.22

奈良県立医科大学 糖尿病内分泌内科学講座のホームページをリニューアルしました!URLも変わりますので、よろしくお願いいたします。
https://naramed-endocrinology.com/

2024.07.05

高橋教授が編集した「内分泌疾患診療 実践ガイドブック」が医事新報社から発売されます。構想から発売まで2年近くかかりましたが、日常診療で遭遇しやすい内分泌疾患を取り上げ、病態の考え方、一般内科医が行うべき診療の流れをわかりやすくまとめました。ガイドラインに書ききれていないような,診療のポイントも多く盛り込みました。専門医を目指す先生のみならず一般内科医の先生方にとっても的確な内分泌疾患診療の実践,およびそのレベルアップにお役立て下さい。編集部の立林さん、執筆者の先生方、大変お世話になりどうもありがとうございました。

医事新報社のホームページあるいはアマゾンから絶賛予約受付中です。

2024.06.19

高橋教授が金沢大学に招かれ十全医学会学術集会で講演を行いました。今回会長の篁教授が内分泌・代謝のテーマで企画され東北大学の酒井寿郎先生とともに講演を行いました。金沢大学の新進気鋭の先生方のご講演もあり、たくさんの学生も参加しており金沢大学の研究に対する情熱が伝わってくる素晴らしい会でした。酒井先生のご講演はノーベル賞受賞者BrownGoldsteinラボに留学中にSREBPの調節機構、酵素を同定した歴史に残るお仕事の話で研究のワクワク感が伝わる素晴らしいものでした。

高橋教授の講演は「新たな疾患概念 傍腫瘍自己免疫性下垂体炎の樹立と学問体系のOnco-Immuno-Endocrinologyの提唱-教科書を書き換えるような仕事をしよう-」のテーマで、Physician scientistの重要性、症例からどうすれば新しい疾患を発見できるのか、教科書を書き換えるような仕事をするための心構えについて熱く語ったところ、医学部の学生さんがたくさん重要な質問をしてくれました。ご講演を聞かれた方でご質問などありましたらお気軽に講座のアドレスまでご連絡ください。そして聴講してくれた学生さんの中から未来の医学を切り拓くPhysician scientistが生まれてくるのを楽しみにしております。

奈良医大の4年生向けの統合講義でも72日に「未知の病態に遭遇した時の考え方―医師になってどんなことを目指しますかー」を行いますが、是非たくさんの質問を期待しています。

 そして会の後では篁先生、医学系長の山本先生に心のこもったおもてなしを頂き、酒井先生、皆さんと楽しく、ここでは書けないようなお話で盛り上がりました。篁先生、山本先生大変お世話になりありがとうございました。

2024.06.10

横浜で行われた第97回日本内分泌学会に参加しました。糖尿病内分泌内科のメンバーは学生さんも併せて以下の12演題を発表しました。

「レセプトビッグデータを用いた免疫チェックポイント阻害薬関連内分泌異常の病態解明」紙谷先生、「レセプトビッグデータを用いた生活習慣と脆弱性骨折リスクの解明」中島先生、「レセプトビッグデータによる内分泌代謝疾患の病態解明」西岡先生、「レセプトビッグデータを用いたCOVID-19感染後甲状腺疾患の病態解明」尾崎先生、「遺伝性が疑われる若年悪性パラガングリオーマの一例」中上先生、「レセプトビッグデータを用いた妊娠後骨粗鬆症の病態解明」小泉先生、「原発性アルドステロン症AVSによるコルチゾール自律分泌の新たな指標」玉城先生、「レセプトビッグデータ解析による副腎クリーゼのリアルワールドデータ」勝又先生、「心不全合併薬剤抵抗性アミオダロン誘発性甲状腺中毒症に血漿交換療法、甲状腺全摘術が奏功した一例」柵木先生、「レセプトビッグデータ解析:甲状腺機能障害における家族歴のリスクの定量化」森田さん、「教科書を書き換えるような仕事をしよう」「Onco-immuno-endocrinology:内分泌学の新たな展開 新たな疾患「抗PIT-1下垂体炎」の発見から学問体系の提唱まで」高橋教授の12演題です。

いずれの先生も予演会だけではなく自らしっかり練習して臨んだのが伝わる素晴らしい発表で、普段からカンファレンスなどで地道に訓練している成果だと思います。そしてメンバーの尽力で奈良医大での勉強になった症例報告やレセプトビッグデータ、レジストリデータを用いた臨床研究も注目を集めるようになってきました。今回の学会でのフィードバックを活かして、ガイドライン、教科書を書き換えるような仕事で論文化、世界を目指します。

2024.06.03

高橋裕教授がThe Pituitary Societyの次期Presidentに選ばれました。

高橋教授は日本人として初めてBoard of Directors (理事)を務めていましたが。今回Presidentも日本人として初めて選出されました。大変名誉なことですし、重責に身の引き締まる思いですが、微力ですが下垂体領域の発展に尽力するとともに、日本のプレゼンスを少しでも高め、次世代の育成に尽力して参りたいと思います。

下垂体領域に興味のある若い先生方へ2025年にはサンフランシスコでThe Pituitary CongressENDOの日程に合わせて開催されます。この学会に参加すればPituitary領域の最新のアップデートが可能です。下垂体領域は本当に面白くまたThe Pituitary Societyには素晴らしい指導者が揃っています。そして世界は決して遠くありません。皆様奮ってご参加ください。

2024.04.03

榑松先生の論文「Adrenal crisis associated with COVID-19 vaccination in patients with adrenal insufficiency: A literature review」がEndocrine Society副腎部門の論文2024 (Endocrine Society Thematic Issue on Adrenal Disease 2024)に選ばれました。おめでとうございます。

本論文では副腎不全の患者さんにコロナワクチンを投与した場合に、発熱や食思不振を呈した場合には副腎クリーゼのリスクがあることを報告したものです。基本的にはワクチン接種後に発熱や食思不振を呈した場合には3倍以上のヒドロコーチゾンの服用を推奨しています。またアデノウイルスベクターの場合には1回目から、mRNAワクチンの場合には2回目にリスクがあります。COVID-19は収束しつつありますが、今後もワクチン接種は継続される状況において、念頭に置いておく必要があると思います。副腎不全の患者さんを診療されている先生方にご参考になりましたら幸いです。

また副腎不全でヒドロコーチゾン治療中の患者さんは、コロナワクチン投与後の体調不良の場合にはまずヒドロコーチゾンを3倍に増やすとともにすぐにかかりつけの病院に相談することが大切です。

https://academic.oup.com/endocrinesociety/pages/adrenal-disease-2024

2024.03.25

高橋教授が第15回台湾内分泌糖尿病学会に招かれ「New form of hypophysitis: A journey for the discovery of novel disease」のタイトルでPlenary lectureを行いました。新たな疾患「抗PIT-1下垂体炎」を発見し20年以上かけて症例を集積、診断基準の策定、さらに新規疾患概念「傍腫瘍自己免疫性下垂体炎」および学問体系Onco-immuno-endocrinologyの提唱に至るストーリーとそこから得られた教訓を紹介し、多くの先生方に楽しんで頂きました。学会の様子の写真とともにご参考に教訓のスライドを掲載します(詳細は当科FBをご覧ください)。

台湾の方たちは本当に親日的で大変なおもてなしを頂き、台湾内分泌学会PresidentのFeng-Hsuan Liu教授、参加されていた韓国内分泌学会PresidentYoon-Sok Chung教授、米国のAnand Vaidya 教授たちとの交流も楽しむことができました。今回招聘頂いたFeng-Hsuan Liu教授並びにスタッフの先生たちも至れり尽くせりのお気遣いを頂き心から感謝申し上げます。

2024.03.25

奈良県立医科大学 糖尿病内分泌内科のメンバーの岡田先生、紙谷先生、中島先生、玉城先生の4人が日本専門医機構認定の内分泌代謝糖尿病内科専門医試験に合格しました。彼らもこの3年間で見違えるように腕を上げて、糖尿病だけではなく内分泌代謝疾患もエキスパートとして診療できるようになりました。

奈良県は全国でも糖尿病、内分泌代謝専門医の数が少ないのですが、当科では、奈良県全体で、糖尿病、内分泌代謝疾患診療に従事できる専門医を増やしていくとともに、診療レベルをさらに向上できるよう引き続き尽力して参ります。

2024.01.23

糖尿病、内分泌疾患診療のエキスパートになりたいけれど、指導を受ける機会がない先生もおられるかもしれません。

本ホームページの高橋教授のエッセイの欄にを糖尿病、内分泌疾患診療のエキスパートになるために大切なことを連載していきます。
ご活用頂けましたら幸いです。

2024.01.09

医学部6年生の竹下沙希さんと西岡祐一先生の論文「Novel subgroups of obesity and their association with outcomes: a data-driven cluster analysis」がBMC Public Healthに出版されました。
https://link.springer.com/article/10.1186/s12889-024-17648-1?utm_source=rct_congratemailt&utm_medium=email&utm_campaign=oa_20240109&utm_content=10.1186/s12889-024-17648-1

先日のお知らせでもお伝えしましたが、竹下さんは学生としてもともと基礎の研究室でシングルセル解析などの基礎実験に従事していましたが、その後公衆衛生学教室で研究を続け今回糖尿病内分泌内科のプロジェクトとして、レセプトビッグデータを用いた解析を行い見事に論文まで到達しました。6年生で通常の勉強だけではなく、模擬国連やこのような研究に従事し大きな達成を果たしたことは素晴らしいと思います。

本論文では、レセプトビッグデータを用いて9494名のBMI 35以上の高度肥満を対象とした新たな臨床的分類に挑戦しました。

背景として、高度肥満の患者さんが糖尿病、高血圧、脂質異常症など多くの合併症で困っているケースにはよく遭遇します。一方で高度肥満にも関わらずほとんど合併症のない方や、合併症も様々であることもよく見かけます。今回その不均一性を明らかにするために、レセプトにおける病名、投薬内容、診療コードを用いてバイアスのないクラスター解析を行い、各クラスターの臨床的特徴とその腎予後及び生命予後を明らかにしました。

興味深いことに、高度肥満の症例は独立した7つのクラスターに分類されました。糖尿病、高血圧、脂質異常症、心血管合併症を起こしやすいクラスターやほとんど合併症のないクラスター(いわゆるMetabolically Healthy Obesity(MHO)のグループさらにアレルギーや呼吸器疾患が多いクラスターなどに分かれました。アレルギーや呼吸器疾患が多いクラスターでは代謝異常や心血管合併症が少なく、同じ高度肥満でも背景となる病態が明らかに異なることが示唆されました。

また生命予後については、糖尿病、高血圧、脂質異常症、心血管合併症を起こしやすいクラスターは確かに悪かったのですが、驚いたことに生命予後が最も悪いクラスターは高度肥満診断後、医療機関を受診していないクラスターでした。このことは高度肥満を指摘した後に医療機関で精査を行い適切に介入を行うことの重要性を示唆しています。

また心血管合併症を起こしやすいクラスターについては十分な薬物療法がなされていましたがそれでも予後が悪く、今後は代謝改善手術をより積極的に考慮する必要がある可能性を示唆しています。

今回同じ高度肥満においてもそれぞれの臨床的特徴と予後を明確にしたことから、その基盤となる病態の解明やより適切な介入方法などを検討するための重要な情報になると考えています。共同研究者である講座のメンバー、今村教授をはじめとする公衆衛生学教室のメンバーの皆様に改めて感謝申し上げます。

このような解析はまさにビッグデータでしかできないことで、今後の新しい可能性を感じながら講座のメンバーと共に他の疾患にも応用を試みています。

論文は上記のURLで公開されていますので、興味のある先生は是非ご覧ください。

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